発達障害やグレーゾーンの子供を持つと、癇癪に苦労する方も多いのではないでしょうか。ちょっと出かけるのも一苦労、学校で平穏に過ごせているか心配。今回は、息子の癇癪記録を年齢ごとにまとめました。そして、私が「叱らず誉める」を実践するようになった経緯も書いておきます。
就学前
2歳くらいで癇癪を起こすようになった息子。2〜4歳頃までは、寝起きに、手足をばたつかせて泣き喚く、あるいは床を叩くなどして怒るというのをほぼ毎日にようにやっていたと思います。それを見て、ため息をついてしまう私。私の態度を見咎める夫。憂鬱でしたね。
▼幼児期の癇癪:うちの子の場合
・眠い、体調が悪い
・寝起きに私がそばにいない(昼寝中に離れて家事を始めたりしている)
・寝起きに、寝た時と状況が変わっている(明るかったのに夕暮れで暗くなっている、寝る前点いていたテレビが消えている/番組が変わっているなど)
5歳になって、寝起きの癇癪が落ち着いたと思ったら、今度は大声で怒鳴ったり暴れたりという癇癪を起こすようになりました。卒園間際には、室内に積み上げてあった椅子をひっくり返すという激しい癇癪を起こしました。以来、気に入らないことがあると物に当たるようになっていきました。
小学生:教室・家で癇癪
入学後は小康状態を保っていた息子。ところが、環境に慣れ始めた5月頃から、学校でひどい癇癪を起こすようになりました。
喚き散らしながら椅子や机をひっくり返して、先生は慌てて他の児童を避難させて息子を羽交い締めにし、別室に連れて行って話を聞く。学童ではスタッフの方が対応しきれず私を電話で呼び出す、こんなことを繰り返していました。
私は毎日へとへとで、息子にしつこくお説教してしまう。ますます息子はいうことを聞かなくなるという悪循環でした。
この時期は息子を連れて買い物にいくのも一苦労。あらかじめ伝えておいても直前になると行き渋る、なだめすかしてどうにか連れ出すも道中不機嫌になる。ほんっとうに腹立たしかったです、この時期の息子!
小学生:旅先での癇癪
1番ひどかったのは夏休みです。夫が旅先で渓流釣りを予約してくれていたのですが、直前に息子の機嫌が悪化。釣りの道具を渡すもなかなか釣ろうとせず夫も次第に不機嫌に。ようやく釣り始めたものの10分ほどで釣れないと怒り出し、竿を放り出して川原の石を投げたり、「ちきしょう、やってられねえ」「どうせ俺なんて」と怒鳴りながらテーブルや椅子を蹴り始めたのです。
日ごろ温厚な夫が怒髪天を突き、叱りつけたところ息子もおとなしくなりましたが。沢の奥で周りに他のお客さんがいなかったのだけがせめてもの救いでした。釣りを再開し、機嫌を持ち直したのも束の間、夕方には旅館の客室で暴れたり大声をだしたりしたので生きた心地がしませんでした。
なぜ癇癪?
どうして癇癪を起こすのでしょうね?うちの子は、ちょっとした失敗や聞き違いなど些細なことから始まります。息子はさらに「思い込み」が強いタイプです。自分はAだと伝えたつもりなのに相手はBだといっている、ところが客観的には相手もAと言っている、という構図が多いように思います。怒ってしまう原因として「自分に自信がないからではないか」(=自己肯定感が低い)と先生に指摘されたことがあります。確かに、自分に自信と心の余裕があれば、少しの注意や行き違いでは動じませんよね。
転機
転機は小一の8月に訪れました。息子が自室のものを壊して大声で怒鳴っているときに「いい加減にしてよ!あんたのせいで家がめちゃくちゃ」と私が叫んでしまったのです。息子に「うるせえ!ママのせいだ。ママの育て方が悪かったから俺がこんななんだ」と言い返されて、私は呆然としました。へなへなと座り込んでクッションに顔を埋めて泣き出したところ、後頭部を息子が全力で殴りつけてきたのです。いっそこのまま殺された方がマシだと思った私は頭部を守ることすらせずそのまま受け止めていました。暴れ続けて体力が尽きたのか、母親を殺してしまうと不安になったのか、幸いにも3発目で息子の攻撃は止みました。
赤ちゃんの頃から力が強くて、空手教室でもすごいパンチ力と先生に言われている息子。全体重をかけての渾身の3発は重かったです。しばらくしてズキズキ痛くなり、触れてみたらぶにゅっとしていました。息子はその夜、「ママはこのまま死ぬかもしれないよ」と夫に告げられて明け方近くまで咽び泣いていました。翌朝、病院でレントゲンをとってもらい異常なかったのでよかったです。息子が犯罪者にならずに済みました。
叱らず誉める
次の診察で上記のことを話し、薬が追加されることになりました。そして医師から、「これ以上自己肯定感が下がると薬も効かなくなります。とにかく誉めて自己肯定感を高めてあげて」といわれました。
でも難しいですよ、毎日のように学校で悪いことばかりして、親の言うことも聞かない子を誉めるのは。だから私は正直に「無理です、今のこの子に誉められるところは一つもありません」と答えました。すると医師が「じゃあせめて叱らないで。寝る時間も守らせなくていい、宿題もやらせなくていい、その日の学校のトラブルも説教しなくていい。後から自分が困るだけって本人も気付きます。それより自己肯定感を上げる方が優先です。だから叱らないで」
専門医がそこまで言うほど「叱る=悪」なんですね。
以来、その言葉を胸に刻んで極力叱らない・誉めることを心がけてきました。そして、子供をよくしたかったら「誉める」が1番なんだと数ヶ月で実感したのです。